毎月の源泉徴収について
毎月の給与明細に「源泉所得税」の記載があり、これは国に納める所得税を会社があらかじめ給料から差し引く制度で、「源泉徴収」と呼ばれていますが、少し算定方法が分かりにくいと思われるので、簡単に計算方法について整理したいと思います。
■源泉所得税の計算の流れ
源泉所得税は、基本的に以下の流れで計算されます:
-
課税対象の給与額を算出
-
扶養控除等申告書の提出状況を確認
-
国税庁の「源泉徴収税額表」に当てはめて税額を求める
課税対象は、「支給額-社会保険料等」といった算式で算出されます。たとえば、給与支給額が30万円、一方で控除される保険料が1万5,000円(非課税)であれば、
課税対象額=30万円-1.5万円=28.5万円
となります。
また、源泉所得税額は、従業員が「扶養控除等申告書」を提出しているかどうかで大きく変わります。提出していれば、配偶者や扶養親族の数に応じて税額が軽減されます。提出がない場合は高めの税率が適用されます。
税額表には、以下の2つの種類があります:
-
月額表(給与を毎月支給している場合)
-
日額表(日払い・アルバイトなど)
この税額表は、支給額ごと、扶養親族ごとにテーブル形式で税額が定められていますので、たとえば、「扶養親族1人」「課税給与285,000円」の場合、月額表の「甲欄」を参照し、仮に該当する税額が 6,350円 とあれば、その月の源泉所得税は 6,350円 が徴収されます。
※ボーナス(賞与)に関しては、**賞与に対する源泉徴収税額の算出方法(別表)**が用意されています。
このように、源泉所得税は「概算」で毎月天引きされています。そしてあくまでも概算であるため、年末調整で実際の所得と控除額を再計算し、納め過ぎていれば還付、不足していれば追加徴収という流れになります。
【一日一新】
TONDEMI