健康保険について
続いて健康保険について。健康保険は、主に会社員や公務員など、雇用されている人が加入する公的医療保険制度で、病気やケガの際に安心して医療を受けるための重要な仕組みです。個人事業主の方は被保険者になることはできず、国民健康保険への加入が必要です。
健康保険の給付内容
健康保険に加入していれば、医療機関での診療費の自己負担は原則3割(小学生未満は2割、75歳以上は原則1割または3割)となり、残りは保険でカバーされます。これにより、突然の病気やけがにも安心して対応できます。
また、健康保険では以下のような給付制度も用意されています:
-
傷病手当金:業務外の病気やけがで働けない場合、給与の一部を保障(最長1年6か月)
-
出産手当金:産前産後の休業中に給与の代わりとなる手当を支給
-
出産育児一時金:出産時に一児あたり原則50万円が支給される制度
-
高額療養費制度:ひと月の自己負担額が高額になった際に、一定の上限を超えた分が払い戻される制度
健康保険料の仕組み
健康保険料は、原則として毎月の給与や賞与に対して一定の保険料率を掛けて計算されます。この保険料率をかけるもととなるものを、標準報酬月額といい、50等級にわかれて算出されます。保険料は、被保険者(社員)と事業主(会社)が折半して負担する仕組みです。例えば保険料率が10%であれば、労働者と会社がそれぞれ5%ずつ負担することになります。また、健康保険には「介護保険料」も含まれることがあり、40歳以上65歳未満の人はこれも併せて支払います。なお、保険料率は加入している健康保険組合や協会けんぽ(中小企業などが多く加入)によって異なります。
健康保険料は人件費の一部を構成し、企業にとっても個人にとっても少なくない負担となりますので、経営上も重要な論点といえるでしょう。
【一日一新】
新高円寺駅