税務上ののれんについて
M&Aにおいてよく生じる、税務上ののれんについて。
合併等の組織再編が行われた際、 合併法人等は被合併法人等から資産・ 負債の移転を受けることになります。 その際、移転する資産・ 負債の時価純資産価額を超えた部分の金額を、税務上は「 資産調整勘定」と表現します。
会計上は「のれん」 と表現されることが一般的ですが、若干定義も異なり、 また償却方法も変わってくるため、分けて取り扱われています。
会計上は「のれん」
会計上ののれんとは、 企業買収等により取得した企業や事業の時価純資産と、 買収者の投資額との差額のことを指し、 20年以内のその効果の及ぶ期間にわたり、 主として定額法により償却されます。
一方、税務上ののれんである資産調整勘定については、 非適格合併等における時価純資産と投資額との差額で求めることが でき、5年定額法により償却されます。 例として非適格合併を挙げておりますが、その他非適格再編( 分社型分割、分割型分割、現物出資)も対象となり、 事業譲渡が行われた場合も計上される可能性があります。
資産調整勘定は、 時価純資産が投資額を上回る場合に計上されますが、 案件によっては逆のケースも想定されます。 時価純資産が投資額に満たない場合、その差額は「負債調整勘定」 として取り扱われます。 償却方法については同様に5年定額法が適用されます。
一方、税務上ののれんである資産調整勘定については、
資産調整勘定は、
税務の観点からは、会計上の「のれん」 は損金算入が認められないため、節税効果を生みません( 税務上は、その計上が否認されます)。一方で「資産調整勘定」 は税務上の概念であり、 法人税申告書上で損金として取り扱われるため、 その分所得を減少させ、節税効果を有しているといえます。
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