定期保険の税務上の取扱いについて
法人税務上、よく見られる論点の一つに保険料の取り扱いがあります。
保険もその種類によって税務上の取り扱いは様々ですが、少し前に改正された定期保険について、今回は見ていきたいと思います。
まず、定期保険とは何かということですが、契約時に定めた保険期間中に死亡、高度障害になった場合に保険金を受け取ることができる商品と整理できます。一般的に満期保険金はなく、また解約返戻金についても低額であることが多い商品とされています。
そんな定期保険について、令和元年度税制改正により取扱いに変更が加えられました。今回は特に長期平準保険について確認したいと思いますが、長期平準保険とは下記の定義に当てはまる保険のことを指します。
長期平準定期保険 下記の要件を満たす定期保険を言います。
・保険期間満了時の被保険者の年齢>70歳
・加入時年齢+保険期間×2>105
改正前は、上記の長期平準保険は保険期間の60%
一方で改正後の取扱いはというと、最高解約返戻率が50%以下の保険、および50%
次に50%超かつ保険期間が3年以上の保険契約についてですが、
解約返戻率50%超75%以下:保険期間の40%経過日までは支払保険料の40%を資産計上
解約返戻率55%超85%以下:保険期間の40%経過日までは支払保険料の60%を資産計上
解約返戻率85%超:保険期間10年経過日までは支払保険料×最高解約返戻率×90%を資産計上、以降は支払保険料×最高解約返戻率×70%を資産計上
また、一度資産計上した保険料相当額は、一定期間経過後に取り崩しの処理を行うこととなります。
そしてこれらの取り扱いは、契約日によって変わることになりますが、従来の取り扱いが適用されるのは、令和元年7月8日以前に締結された保険契約となりますので、税務申告や税務DDを通じて定期保険の契約が確認された場合は、契約日についても確認することが求められるでしょう。
【一日一新】
Pierre Ledent